沖縄がビジネスに有利な6つの理由と
沖縄の特徴から学ぶ3つの勝因

大好きな沖縄でビジネスしてみたいけれど、どんな仕事をすればいいんだろう?
そもそも沖縄でビジネスってうまくいくんだろうか?

満員の通勤電車に揺られながら、人ごみをかき分けて会社に向かいながら、誰もが一度は考えたことがあるかもしれませんね。

その豊かな自然で多くの観光客をひきつけてやまない沖縄ですが、実は沖縄にはビジネスを成功させるのに有利な点がいくつもあります

 

その流れを加速させているのが、2012年から始まった「沖縄21世紀ビジョン基本計画」です。

これは、住みやすい沖縄作りのために策定された10年構想の計画ですが、そのなかに「働く意欲と能力にあう仕事があり、安定した雇用環境が整備されている沖縄」というビジョンが示されています。

現在沖縄では、このビジョンの実現に向けて、さまざまなビジネス拠点の創出、陸上交通の整備、誘致活動や産学官連携を進めています。もちろん、新しく事業を始める方向けの優遇・支援制度なども整っているのです。

 

そこで今回この記事では、こうした制度面の話を含め、沖縄がビジネスに有利な理由を6つにまとめてご紹介していきます。

そして、沖縄で開業して成功を収めている3社の事例をご紹介し、そこから学べる3つの勝因についても触れていきます。

この記事をお読みいただければ、沖縄の持つビジネスへの強みがわかり、あなたの事業を成功させるためのポイントもつかんでいただくことができます。

観光だけでない沖縄の強みを知り、ぜひあなただけのビジネスチャンスを見つけてみましょう!

沖縄がビジネスに有利な6つの理由

冒頭で述べたとおり、沖縄にはビジネスに強い 6つの理由があります。

さっそく一つずつ見ていきましょう。

理由1

東アジアに近い
沖縄は日本と東アジアを結ぶ好立地に位置する

理由2

経済特区
他県にはない「経済特区」「支援制度」を持つ

理由3

人口の維持
直近5年間で東京に次いで高い人口増加率

理由4

若い労働力
老齢人口率が低い

理由5

少ない地震
全国と比較すると地震災害が少ない

理由6

観光地
圧倒的な観光客数を見込んだマーケットが期待できる

理由1 日本と東アジアを結ぶ好立地に位置する

沖縄県がビジネスに強い理由の一つとして、立地の良さが挙げられます。

上の地図をご覧ください。

ご存知のように沖縄県は、日本(本土)と東アジアの中央に位置しています。

日本の中心地である東京から見れば、沖縄は距離的に遠いため一見ビジネスには不向きな土地に思えますが、目線を転じてみると、それが誤解であることがよくわかります。

 

この立地のおかげで、沖縄は東京はもちろん、アジア諸国の主要都市の多くに5時間以内でアクセスできるのです。下記に各都市までの所要時間をまとめてみましたので、参考にしてみてください。

こうした日本とアジア諸国へのアクセスの良さは、ビジネスをしていくうえで大きなメリットとなります。なぜなら、日本国内(人口約1.3億人)にとどまらず、中国14億人弱、その他ASEAN諸国6億人強の、計21億人規模の幅広いマーケットが期待できるからです。

日本国内で飽和状態になってしまっているビジネスモデルであっても、視野を海外へ向けることで新たなチャンスが広がるかもしれません。

理由2 他県にはない「経済特区」「支援制度」を持つ

沖縄県には産業を軌道に乗せるための、さまざまな優遇措置があります。

他県では考えられない特別な率の所得控除(最大40%)や、企業の設備投資、工場・倉庫などを建てるための補助金などが多く用意されているので、事業を始める法人にとってはありがたいです。

たとえば、沖縄では以下のような「経済特区」が認められています。

地域内容
国際物流拠点産業集積地域同地域内での事業は、税の優遇措置・沖縄振興開発金融公庫の低利融資を受けることができる。
情報通信産業振興地域同地域内で活動する情報通信の関連企業は、要件を満たせば税の優遇措置を受けることができる。
経済金融活性化特別地区同地域内で金融業・情報通信業・観光業・農業・水産養殖業・製造業にあたる企業の施設やインフラ整備を促進する。
産業イノベーション地域同地域内の農林水産業・ものづくり産業に対して、商品開発力・技術力・高い経営力を養うためにさまざまな支援事業を行う。実施に当たり、投資税額の控除など税の優遇措置を受けられる。

上記のように、対象エリア内での事業活動は税の優遇や低金利での融資を受けられるメリットがあります。このほかにも、さまざまな補助金などが用意されており、沖縄県には資金面でもビジネスを始めやすい条件がそろっていると言えるでしょう。

日本国内で飽和状態になってしまっているビジネスモデルであっても、視野を海外へ向けることで新たなチャンスが広がるかもしれません。

理由3 東京に次いで人口増加率が高い

沖縄県がビジネスに有利な3つ目の理由として、県内の人口増加率が高いことが挙げられます。その率は全国で見ても、東京の次に迫る勢いです。

全国的に少子高齢化が進み、令和5年度は全都道府県で人口増減がマイナスになってしまいました。その中でも沖縄では人口減少数及び減少率が全国一小さく抑えています。
人口を維持しているということは、それだけ商品を購買し消費する人口がいるということにほかなりません。

その意味でも、近年沖縄で見られる人口数の維持は、他県がうらやむほどの大きな武器になっていることでしょう。

理由4 老齢人口率が低い

沖縄は、2024年現在のデータでは老齢人口率が全国で東京に次いで低い県です。

「老齢人口率」とは、全県民数のなかで65歳以上の高齢者がどれぐらいの割合を占めているのかを計算したもの。つまり、老齢人口率が低い=生産年齢人口(15歳~65歳未満)が多いことがわかります。

下記の表をご覧ください。

こちらは、47都道府県の中でも老齢人口率がもっとも低い上位5県をピックアップしたものです。このうち2位の沖縄県は老齢化人口率23.8%となっており、もっとも老齢人口が低いことがわかります。

こうしたデータから、沖縄県には多くの若い労働力が期待でき、長期的に安定した働き手を得ることが可能なことが読み取れます。さらに、若い世代が多く集うということは、他県に比べても将来的に商品の購買・消費が増すということです。若い世代をターゲットにしたモノ・サービスを展開したいのであれば、沖縄県は狙い目であると言えるでしょう。

理由5 地震災害が少ない

沖縄は東京に比べて、地震回数が少ない点も利点に数えられます。

日本は世界的にも地震大国として知られていますが、特に2011年の東日本大震災以来、東京を含む東日本地域では地震回数が増加しており、いまだ不安定な状態にあります。

そんななか、沖縄と東京の地震回数を比較してみると、沖縄には大きな地震が圧倒的に少ないことがわかります。

2000年1月~2024年8月現在までの24年間の比較をご覧ください。

地震災害はビジネスを継続していくうえで大きな妨げとなり得ますが、沖縄のように大きな地震が来ないエリアなら、安心して企業活動を行うことができると言えるでしょう。

また、沖縄には原子力発電所がないため、災害時の電力供給についてのリスクは低くなります。沖縄県の大手電力会社である「沖縄電力」は、日本で原発を持たない唯一の電力会社であり、その分の電力を化石燃料によって作り出しています。

こうした状況から、もしもの災害時には沖縄が強いということがおわかりいただけると思います。

本土との同時被災を避けるために、沖縄に事業を分散している企業が存在することも納得です。

理由6 圧倒的な観光客数を見込んだマーケットが期待できる

沖縄がビジネスに有利な6つめの理由として、国内でもトップクラスを誇る観光客数があります。

2023年の年間を通じての「延べ宿泊者数」を見ると、その数の多さがわかります。

東京都、大阪府の二大都市に次いで、北海道、沖縄県の観光に強いエリアが並んでいます。

延べ人数とはいえ、年間3000万人を超える観光客が訪れる沖縄は、自社の商品やサービスを売り込むマーケットとして大きな期待ができます。

さらに、毎年沖縄には海外からの観光客も数多く訪れます。そのため、日本国内にとどまらない多くの顧客を獲得するのに、大変有利な場所であると言えるでしょう。

沖縄でのビジネスで成功している上位50社

実際のところ、現在沖縄県で成功を収めている企業には、どのような業種があるのでしょうか?

参考までに、売り上げを多く上げている企業を見てみましょう。

2022年の企業利益ランキングのうち、上位50社をご紹介します。

参考:宮古新報

上記のランキングを業種別に分類すると、このように分かれます。

【2022年沖縄県内企業利益ランキング 業種内訳】

こちらの内訳をみて気づくのは、建設業や銀行、賃貸・不動産業の多さです。

前章でも述べたとおり、沖縄県では全国的に見ても人口が増加しており、年間を通じて観光客が訪れます。そのため、住居やホテルなどの需要が伸びており、建設業・賃貸・不動産業が賑わいを見せているようです。その影響は「運送業」や「重機賃貸業」にも色濃く見られます。

その他、「スーパー」「コンビニエンスストア」「ホームセンター」など生活に密着した食品や衣料品、生活用品などのお店も大きな売り上げを出しています。

沖縄の現状を追いながらどの分野が狙い目なのか、今回の結果と合わせて参考にしてみてください。

【実例】沖縄のビジネス成功企業事例

開業でもっとも多い職種と、現在沖縄県でトップクラスの利益を出している企業を見てきましたが、実際沖縄で一から起業して成功を収めている会社はどんなところがあるのでしょうか?

ここでは、沖縄で事業を始めて成功を収めている3社をご紹介していきましょう。

フトン巻きのジロー株式会社

出典:フトン巻きのジロー株式会社

布団を丸洗いできるコインランドリーの運営をしている「フトン巻きのジロー」。

沖縄発の事業としてスタートし、今や全国にフランチャイズ展開しています。

そもそも事業の発端は、湿度の高い沖縄でどうすれば布団を清潔に保てるかを考えたところから。
沖縄の子どもたちに、喘息持ちの子が多いことに着目したのがきっかけだと言います。

現在は、①コインランドリー事業 ②宅配クリーニング事業 ③洗えるマットレスの販売を手掛けています。

【会社情報】
会社名:フトン巻きのジロー株式会社
所在地:〒320-0051 栃木県宇都宮市上戸祭町3014−3ヒルサイド上戸祭A棟2F(本社)
創立年:2017年6月

株式会社コーカス

出典:株式会社コーカス

株式会社コーカスは、スキンケアブランド「Sui Savon 首里石鹸」を製造・販売する会社です。沖縄の自然の恵みをふんだんに取り入れた、見た目も美しい石鹸やフレグランス、シャンプー・リンスなどのヘアケア商品、雑貨など幅広く展開しており、現在那覇市を中心に県内は15店舗、東京都有楽町など県外にも5店舗を運営しています。

石鹸の価格は、一つあたり約2000円と決して安いものではありませんが、県民・県外からの観光客の間でお土産やギフト商品としてよく売れており、2019年度は4.3億円を売り上げています。沖縄随一の観光地「国際通り」にも出店しており、高い人気がうかがえます。

【会社情報】
会社名:株式会社コーカス
所在地:〒903-0801 沖縄県那覇市首里末吉町4丁目6-6
創立年:2011年4月

株式会社プロアライアンス

出典:株式会社プロアライアンス

沖縄県内で有名な動画求人サイト「オキナビ」の制作・運営で知られる同社は、動画制作事業・WEB集客支援を行っています。さらに県内でコンビニエンス事業や清涼水販売なども手掛けており、多岐にわたるビジネスを展開しています。特に、企業側の魅力をそのまま伝える「オキナビ」は、求職者と企業側のニーズを満たす媒体として支持されており、県が抱える雇用問題の一助となりたいと願う同社の想いが熱く伝わってくるかのようです。

【会社情報】
会社名:株式会社プロアライアンス
所在地:〒901-2221 沖縄県宜野湾市伊佐三丁目1番3号 第6タテルマンビル 3階
創立年:2000年11月

沖縄でビジネスを成功させる3つのコツ

前章で「沖縄で起業し成果を上げている3社」についてご紹介しましたが、この3社が成功している勝因は一体どこにあるのでしょうか?

3社の事業のきっかけやその事業内容を改めて見つめると、成功のコツが3点見えてきます。

ひとつずつご紹介しましょう。

1 沖縄ならではの要素を取り入れる

沖縄でのビジネスで成功をつかむためには、沖縄ならではの要素をふんだんに取り入れた商材を扱うことをおすすめします。

年間延べ3000万人を超える膨大な観光客は、他県では得ることのできない貴重な財源です。また観光客は、旅先で消費することに抵抗が少ない方も多く、沖縄を訪れた土産や記念品として、地元オリジナルの商材があれば喜んで手に取ってくれることでしょう。

 

たとえば、株式会社コーカスは、「Sui Savon 首里石鹸」のスキンケア商品を製造・販売する会社ですが、同社の顧客は8割が観光客です。彼らをひきつけるのは、商品の成分が沖縄でしか採取できない「海底泥」だったり、「県特有の植物エキス」だったり、沖縄ならではの素材を豊富に使った点にあります。

 

このような地元限定のオリジナル商品は、観光客にとっては垂涎ものであり、多少値段が張ってもどうしても手に入れたいと思える魅力にあふれています。また、観光客だけでなく地元の方にとっても、友人同士のプレゼントとして重宝されており、同店は創立以来9年で13店舗を出店するという快挙を成し遂げています。

このように、その地域ならではの要素を取り入れることは、観光業に強い沖縄県でビジネスをするうえでは、成功を収める近道になるでしょう。

2 沖縄のビジネスで新規参入しやすい分野を狙う

さらに、沖縄県のビジネスの中でも、新規参入しやすい分野を狙うことも大変重要です。

いくらあなたにやる気があっても、そのビジネスがすでに他社で提供されているものならば、顧客の取り合いになってしまいます。

そうならないためにも、他社がまだ参入していない分野、もしくは同じ業界であっても異なる切り口でとらえたビジネスを考えてみましょう。

 

たとえば株式会社プロアライアンスは、動画求人サイト「オキナビ」を運営しています。動画を使用した求人サイトは、他社でもすでに取り組んでいますが、沖縄県の企業にターゲットを絞った動画求人サイトとしては、同社が初めて手掛けました。

 

沖縄県において、まだ誰も手を付けていない新規分野に乗り出したことで、他社との差別化に成功しただけでなく、競合のいないオンリーワンとして大きなアドバンテージとなっています。

3 沖縄が抱える問題点に着目する

沖縄県でビジネスを成功させる3つ目のコツは、現在県が抱えている問題点に着目することです。

このエリアに住む人々は、一体どのようなことに頭を悩ませているのか?その悩みを見事解決できる方法を示すことができれば、それは立派なビジネスになります。

 

たとえばフトン巻きのジロー株式会社は、沖縄県で喘息の子供が多い点に注目したことで、「フトンを丸洗い」できたらと願う消費者ニーズにたどり着きました。

さらに、「在店スタッフが常駐して洗い方のアドバイスをくれる」という新しい付加価値も加え、珍しくなかったコインランドリー事業を立派な新規ビジネスへと導くことに成功したのです。

 

このように、現状を改めて見つめてみることは、新規ビジネスを始めるのに大きなヒントとなります。上記の3点を念頭に置き、ぜひあなただけの成功分野を見つけ出してみてください。

まとめ

沖縄 魅力 移住

今回は、沖縄がビジネスに有利な7つの理由と成功企業から学ぶ3つの勝因についてご紹介してきました。観光業に目が向きがちな沖縄ですが、ビジネスを活かせる理由として、以下の7つがありました。

 

1.日本と東アジアを結ぶ好立地に位置する

2.他県にはない「経済特区」「支援制度」を持つ

3.東京に次いで人口増加率が高い

4.老齢人口率が低い

5.那覇空港が「ハブ空港」として活躍している

6.地震災害が少ない

7.圧倒的な観光客数を見込んだマーケットが期待できる

 

また、現在沖縄で起業して成功を収めている3社について解説し、そこから学べる3つの成功のコツについても以下のようにお伝えしました。

 

1.沖縄ならではの要素を取り入れる

2.沖縄のビジネスで新規参入しやすい分野を狙う

3.沖縄が抱える問題点に着目する

 

今回取り上げたさまざまな要素を見てわかるように、沖縄はあなたのビジネスアイデアを形にするのに最適な環境がそろっています。これまで温めてきたビジネスがきちんと成就できるよう、今回ご紹介した成功企業の事例とコツをぜひ参考にしてみてくださいね。

沖縄を慕って移住または2拠点生活を考えているあなたへ

ここまでお読みくださりありがとうございます。

ビジネスを始めるからには成功という目標に向かうための参考となる情報をまとめさせていただきました。

勇気を出して新しい場所でビジネスを始めるか、もう少し慎重になろうか、迷われますよね。

私達は、沖縄でのビジネス成功へ導く一歩を提供すると同時に、皆様には心身ともに健やかな日々を沖縄で過ごしていただきたいと願っています。

他の地域と同じく、沖縄県の行政においても様々なUIターン向けの情報提供をしています。ただ、情報が多すぎて決めきれないこともあるでしょう。
そんなときはお気軽に私どもにご連絡いただければ幸いです。実際に沖縄県庁で企業誘致をしていた実績がありますので、最短で知りたい情報にたどり着けるよう力になればと思います。

有益な情報、繋がってほしい組織などを紹介させていただきながら、皆様の望む未来への可能性を共に探していきます。

私達が描く未来

沖縄は第2次世界大戦の爪痕がまだ残り、苦悩を強いられた場所です。
一方で、自然環境、文化歴史など魅力ある面がたくさんあります。

この強みを引き立たせるには、沖縄の魅力を知り「ゆいまーる」の心で助け合って互いに豊かになる人達が集まることだと私は考えます。

そのために、同じ志を持つ方々が沖縄に集まるための活動をし、ウェルネスで豊かな時間が流れる場づくりを目指しています。

お手伝いできること

1 調査
市場規模や競合の有無など、現地の一次情報を交えたリサーチをいたします。

2 事業構想サポート
長年の企業支援の実績を活かし、沖縄での新しいビジネスを共に考えてまいります。

3 事業開始サポート
沖縄進出すると決めた方におきましては個別に契約を締結し、定期的な打ち合わせの上、支援制度や融資等、沖縄での事業開始までお手伝いいたします。

ウェルネス✕ビジネスを沖縄で

最前線で活躍された方々が、沖縄でどのように活動しているか、移住したきっかけはなんだったのかを紹介しています。
また、社会に独自の方法で価値をしている県内事業者の事例も紹介しています。
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(料金表も掲載しています)

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